はじめに

あなたは、運がいいですか?
世の中には、運に「味方される人」と「見放される人」がいます。
両者の違いはどこにあるのでしょうか?
その違いは、「運を操る力」を発揮しているかどうかです。

「運を操る力」を発揮しているってどういうこと?
「運は、向こうからやってくるもの」と考えている人は、運を操る力を発揮できません。
逆に、運は、自分の行動次第で変えられると考えている人は、「運を操る力」を発揮することができます。

つまり「運に味方される人」になるためには、自分のもっている「運のとらえかた」を変えていく必要があります。
「運」に対して、間違った考え方をしていると、「運を操る力」は制限されしまいます。
まずは、自分の「運」に対する間違った考え方、つまり「運」にまつわる誤解を解くことから始めましょう。
みんなが犯しがちな、「運」にまつわるの誤解には、次の5つがあります。
- 運/不運には周期がある
- 宝くじに当たれば幸せになれる
- スピリチュアルを信じると幸運が訪れる
- 運/不運は生まれた環境で決まる
- 運は自分でコントロールできない
自分の「運を操る力」を発揮するために、まずは運にまつわる5つの誤解を解くことから始めましょう。
運/不運には、周期がある

私たちは、何もかも自分の思い通りに快調に進むとき「運がいいな」と表現します。
自分の予想以上の結果が出たり、狙い通りの成果が得られている時ほど「運がいい」と考えることが多いのではないでしょうか。
しかし、統計学的には「運/不運の周期」や「運気の流れ」というものは明確に否定されています。
「運/不運」と聞いて、頭の中に浮かぶのが「ギャンブル」です。
あなたは、「ホットハンド現象」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
「ホットハンド現象」とは、連勝を始めたギャンブラーほど連勝が続くという現象のことです。
ホットハンド現象が起こると、「今、俺に波が来ているな」と感じ、周囲の人も連勝しているギャンブラーを見ると、「ツキがまわってきているな」と考えます。
これは、ギャンブルの世界に限ったことではありません。
この「ホットハンド現象」をロンドン大学の研究者たちが調査しています。
調査では次の3つの事実が見えてきました。
- 多くのギャンブラーは2回続けて勝った時点、つまり「波が来た」と思った時点で「次は負けるのではないか」と不安になる。
- その不安のせいで、連勝したギャンブラーはそれ以降、負けにくい安全な賭け方をし始める。その結果、負ける可能性が低くなり、勝ちが続いている(波がきている)ように見えやすい。
- 一方、負けたギャンブラーには「負けた分を次で取り戻そう」という心理が働き、それに焦りも加わりリスクの高い賭け方を始める。
その結果、どんどん負け込んでいき「ツキがない」ように見えてしまう。
この調査からもわかるように、ギャンブルの勝ち負けは、「運/不運の周期や運気の流れ」が原因ではなく、目の前にある結果に対してどう判断し、行動したかによって決まっていきます。
「運」は何も支配しておらず、確率もチャンスも平等に与えられています。
それでもいつも連勝しているギャンブラーは運がいいわけではなく、何度も試行錯誤して勝ち方を見い出し、さらに経験により勝負どころを見分けることができるからです。
「運がいい状態にある人」は、「他の人よりたくさんのことを何度も試している人」 だと言えます。
つまり、試行回数が多いほど成功する確率も高くなります。
これは「人生の選択」でも同じことが言えます。
一つ一つの選択により、有望ではないルートは捨てて、少しずつ軌道修正していくことが幸運への確実なステップとなります。
そこで、運/不運の周期や運気のせいにして、自分で軌道修正していく作業を手放してしまうと、当然ですが幸運は遠ざかってしましいます。
「宝くじ当選者」は幸せ?


宝くじに当たれば、人生大逆転だ!!
あなたも、同じことを考えたことはありませんか?
いきなり転がり込んでくる幸運の代表例が「宝くじ」です。
ラクをして大金が舞い込んでくるわけですから、まさに「ラッキー」です。
CMで、「年末ジャンボ、7億円!!」のメッセージが流れると、ワクワクしてきますよね。
誰もが宝くじ当選者のことをうらやましく思います。
では、みんなの想像通り宝くじ当選者は本当に幸せになれるのでしょうか?
現実は、必ずしも「イエス」とは言い切れないようです。
アメリカには、高額当選者のその後の人生を追った研究がいくつもあります。
その研究によると、
当選した瞬間は当選金を手にして、大きな幸福感に酔いしれています。
ところが、当選から2〜3年、長くとも5年後には以前よりも不幸になってしまうようです。
あなたは、もし7億円の高額当選者になったらどうしますか?
7億円という大金を前に、やりたいことがたくさん浮かんできたのではないでしょうか。
これこそが、高額当選した人を不幸にしてしまう原因です。
アメリカの研究者は、高額当選者の多くが目の前の大金に酔いしれ、快楽を優先し、思うがままに行動してしまう「衝動システム」に押し流されてしまうと分析しています。
たとえば、相応の努力をして年収1000万円を稼ぐようになった人は、1000万円の使い方や、お金の節約の仕方を身につけています。
ところが、いきなり転がり込んできた幸運で大金をつかんだ人は、必要以上の豪邸や高級車を購入したりと「衝動システム」に押し流されて浪費を繰り返します。
これは、自分で稼いだ経験がない子供に100万円を与えたら好ましくないことが起こるのと同じです。
大金を手にした時に身についた消費感覚を下げるのは難しいことなのです。
ここで、はじめの質問に戻りたいと思います。
宝くじ当選者は本当に幸せになれますか?
宝くじでも何でも、転がり込んできた幸運を活かせるかどうかは、その人が「運」を味方にする準備ができているかどうかで決まります。
7億円が当選したとして、「運」を味方にする準備ができている人は「衝動システム」を抑えて、比較的低リスクな投資を行ったりして、お金がお金を生み出すサイクルを作り、それでできた余裕で自分が本当にやりたいことを探します。
私たちは、「自分の人生を自分でコントロールできている」と実感できる度合いが高い人ほど自分は幸福だと感じます。
「運」を味方にする準備をしないまま、運に頼ろうとする人は、自分でコントロールできずにいつも不安を抱えることになります。
「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えよ」という格言のとおり、魚を与えてもらった人より、釣り方を教えてもらった人の方が幸せに近づくことができます。
宝くじのように「運」が転がり込むのを待つよりも、運を操る方法を学ぶ方がより幸せに近づくことができます。
スピリチュアルで運は開けない

あなたは「自分が不運だ」と思い込み、次のような行動をとったことがありますか?
そのような行動をとった人に質問です。
その後、自分の身に幸運は訪れましたか?
ハッキリ言います!
このようなスピリチュアルで「運」が開けることも、幸運が舞い込むこともありません。
中には、このようなスピリチュアルを信用していなかったにも関わらず、つい頼ってしまった人もいるかもしれません。
なぜ、普段は怪しげなアドバイスなど聞き流すことができていたのに、このようなことが起こるのでしょうか?
私たちには、判断に迷う状況に身を置くと、考えることが億劫になり、差し出された答えに賛同しやすくなってしまうという性質があります。
この性質は、自分に知識が不足している場合ほど、専門家からの意見に流されやすくなってしまいます。
仕事・恋愛・人間関係など、自分の人生に大きく影響を与えることで、深く悩んでいると思考停止状態になり、つい開運グッズや怪しげな自己啓発セミナーに頼ってしまいます。
もしこのようにスピリチュアル的なものに頼ろうとした時は、一旦立ち止まって、自分が今頼ろうとしているものは「本当に意味があるのか」「根拠があるのか」を考えるように心がけてください。
「運」に関する研究によると、自分のことを「不運」だと思っている人ほど、根拠のないもの、スピリチュアル的なものに頼ってしまう傾向にあるということがわかっています。
たとえば、次の例をみてみましょう。
自分の大好きなアーティストが日本公演を行うことになったとします。
とても人気のあるアーティストなので、ライブのチケットは抽選でしか手に入りあません。
チケットは確実に争奪戦になることが予想されます。
さてここで、考えてみてください。
この状況で「自分を不運に思っている人」はどのような行動をとるでしょうか?
日頃から運がない人は、公演のチケットに応募した後は、「お願いします、当たりますように」と神頼みをしたり、開運グッズに頼ったりします。
それで、当選確率は上がると思いますか?
残念ながら何も変わりません。
では、チケットが当選するような運のいい人はどんな行動をとるでしょうか?
おそらく彼らは、自分がチケットに応募した後、家族や友人、知人、職場の人たちにも協力してもらえないかと連絡するはずです。
当たり前の話ですが、応募する人数が2人、3人になれば、当選する確率も2倍、3倍になります。
こうして運のいい人は10人、20人、30人にお願いして、当選する確率をグンと高めていくのです。
どちらが幸運を手にするのかは明らかですよね。
このように「運を操る力」をもつ人は、自ら行動を起こし努力しています。
また、このチケット獲得を例にとると、周囲の人に「自分はこのアーティストが好きだ」と公言することで人脈が広がります。
そのような努力の結果、チケットを優先的に回してもらえるようなコネクションにつながる可能性だってあります。
これこそが「運を操る力」です。
運/不運は、生まれた環境とほぼ関係ない


もっとお金持ちの家に生まれていたら、幸せになれてのに・・・
私たちは「生まれた時の環境」で、運/不運の大半が決まってしまうのでしょうか?
決して「生まれた時の環境」で、運/不運の大半が決まってしまうことはありません。
貧しい家庭に生まれながらも起業家やアーティスト、スポーツ選手として大きな成功を収めた人もいます。
逆に、裕福な家庭に生まれ、何不自由なく育った人が犯罪に手を染めてしまい、どん底に落ちていく人生を送る人もいます。
「運がいい人」というのは、最終的によい結果を出し、本人の幸福度が上がった状態に自分を導ける人です。
逆に、「運が悪い人」とは、成果をつかめない人です。
このように、環境が変わりさえすればうまくいくという発想は、ただの「現実逃避」でしかありません。
大切なのは、自分で自分自身の人生をコントロールできているかどうかです。
もし不運な出来事が起こったとしても、
そこが本当の意味での、運/不運の分かれ道です。
自分に起こった不運な出来事を環境のせいにせず、何らかのアクションを起こすことで、自分の手で幸運へと導く努力をしていきましょう。
「運」は自分でコントロールできる

ここまで4つの「運」にまつわる誤解を紹介しました。
ここで、5つ目の誤解について質問します。
「運は自分の力ではコントロールすることができないのか?」
ここまで読んで下さった方は、この質問に対する答えはすでに理解していることと思います。
当然、「運」は自分の力でコントロールすることができます。
自分で「運」をコントロールするには、「運を操る力」が必要です。
この「運を操る力」は鍛えることができます。
たとえば、
手を動かすなどして何かの作業を始める、つまり行動を起こすと脳内で「ドーパミン」というホルモンが放出されます。
このドーパミンには、不安や抑うつを低下させて「やる気」を高める働きがあります。
行動を起こすことでドーパミンが放出され、「もっといいことが起こるのではないか」と次の行動へと駆り立てます。
この作用のことを心理学では「作業興奮」といいます。
「作業興奮」のおもしろいところは、「やる気が出たから行動する」のではなく「行動したからやる気が出てくる」という仕組みであることです。
つまり、何かアクションを起こすことが、次のアクションへと繋がり、その結果「運」をつかむチャンスが増えていくのです。
「運がいい人」というのは、最終的によい結果を出し、本人の幸福度が上がった状態に自分を導ける人のことです。
この先自分の人生をどうやったら幸福に導いていけるのかを考え、「運」を意識しながら行動や生活習慣を変えていくことで、「運を操る力」を鍛えていきましょう。
「運を操る力」を鍛えるためには「知識」も重要です。
このような知識を身につけることで、「運を操る力」は鍛えられらます。
筋トレによって体が鍛えられるように、「運を操る力」も使えば使うほど鍛えられ磨きがかかります。
「うまくいったこと」または「うまくいかなかったこと」も全て「運」だと考えるのはやめましょう。
「運」は自分で操りコントロールすることができます。
「運を操る力」が発揮できれば、必ずあなたの人生をより幸福なものへと導いてくれるはずです。